第2149話:カラオウ・ルドル~積み木の城~
「正気かよ……」
渡されたメモに従ってたどり着いた場所にあったのは積み木の城。
強い衝撃でもあればすぐにでも崩れてしまいそうなそれは俺の新しい雇い主の城だ。
この城を見るだけでもずいぶんな道楽者に雇われたものだと先行きが不安になるが、待遇はずいぶんと良いので仕方ないと受け入れよう。
「よく来たわねカラオウ・ルドル、あなたはこれからうちの城の小間使いとして暮らすことになるわけだけども、何か質問はあるかしら?」
この上から目線の少女が雇い主たるメーテルリアお嬢様だ。
この世界に来てからはまだ短いが、生前に築いたコネを死後に即回収して回ることですでにそれなりの立場と資産を形成しているらしい。
死後に持ち込める資産は縁だけという話を強く実感する例だ。
「まぁ従業員マニュアルを読んできたので、仕事のことに関する疑問はあんまりないですが……なんでこの城はこんなおもちゃみたいな見た目なんですか?」
「ん~いい質問ね。この城はモジュール組み立て方式っていうそれこそ積み木のパーツのように分かれた部屋や廊下のブロックを組み合わせる建築をしているから、こんな積み木のような見た目になっているのよ!」
その建築方式は聞いたことがあるが、そのモジュールのデザインが積み木風なことの回答ではないような気もする。
組み立てと積み木を安直につなげてしまったのだろうか。
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