第2106話:クロシ・ハシギヌ~外注駆除~

「うーん、どうにもおかしい」

「何がです?」

「いろいろと外に発注している物があるんだけど、品質とコストが見合わない。これならうちで作った方がコストも安いし品質が良くできる気がする」

「あー、よく調べないまま外注したりするとそうなりがちですよね。どうするんですか?」

「どうするもこうするもそこはもう切るよ。さらには他にも似たようなことになっている部門が無いか徹底的に調べて悪い外注を全て切ってしまう」

「いい心がけだと思います」

「まさに外注駆除というわけだな」

「えっと、今のはどういう……?」

「いや、何でもない。少々言葉遊びが言語の差で上手くいかなかっただけだよ」

「そうですか」

「うん、とにかく外注している物のリストと同じ品を社内で制作、掛かったコスト、時間も含めて提出してくれ。一度みんなで評価して必要不要を判断しなおそう」

「それは……いい考えですね。手配します」

「ああ、任せた」



「まさかこんなことになるとはな……」

「全く予想できませんでしたね」

結果としては質の低い外注を全て駆逐することに成功した。

しかし、社内で比較用に作ったものが思いのほかコストがかかってしまい全体として見れば赤字になってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る