第2100話:カリ・フルスト~庭師~
「私がこの庭で庭師をしているカリと申します」
「よろしくお願いします、新しくこの庭のオーナーになりました、ミクルカです」
「いやぁ、わざわざこの庭園のオーナ―になっていただけるとは物好きな……いや、わざわざオーナーになっていただいてくれた方に言うことではありませんね。なにはともあれ、これからよろしくお願いします」
「ちょっと待ってください、物好きって、どういうことです? この庭園何かあるんですか?」
「いやいや、ただ庭園のオーナーになったとしても特に利益などあるわけではないものですから……」
「いやいや、こんな素晴らしい庭園が失われていくのはもったいないとそう思っただけですよ。以前まで出資をしていた方が亡くなられて今はあなた個人が善意で管理している状況なんでしょう? それではあなたが大変なだけだし、規模にも限界がある。私はどちらかと言えば庭園を買ったというよりもあなたを買ったんですよ」
「ははは、それはうれしいことを言ってくれる。これからも誠心誠意尽くさせていただきますよ。まぁあなたにではなく、この庭園にですがね」
「うーん、つれませんね。しかし、あなたがこの庭園にそこまで固執する理由とは? 他にも大きな庭園を運営しているところはあって、そちらでも庭師を募集しているでしょう?」
「まぁそうなんですが、ここは私が一から手を入れていますからね。思い入れという物がありますよ」
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