第2076話:パル・ヒット~おつかい~
「市場に行ってこのメモにあるものを買っておいてくれるかい? 少し面倒かもしれないが、まぁ簡単なおつかいだと思ってもらえればいい」
「おつかい……」
渡されたメモを見ていつも先生が言っている素材名であることはわかるが、そういえば自分で買いに行ったことは無い。いくつかは名前もしか知らない物もあるし、名前すら知らない物もある。
まぁ、市場に行ってって言ってるんだから市場に行けばどうとでもなりそうな気がする。
わからなかったら聞けばいいんだ、誰かが知ってるだろう。
「一個も見つからん」
メモの注文は知ってる名前だから全部あるのは間違いないのだが、もしかして先生がそう呼んでいるだけの別の品だったか?
見たこともある物も一個も見つからん。
先生は簡単なおつかいって言っていたのに、それすらもこなせないのか……
ふがいない……
「このままではだめだ……!」
もしかしたら先生は違う市場を想定していたのではないか……?
何も言っていなかったから近くの市場だと思っていたが、別の場所の可能性もある。
「見つけるまで買えることはできん……!」
決意を新たに、再びメモの品を順に探し始める。
「ただいま戻りました!」
「あぁ、パル! 3季もの間どこに行っていたんだい、全然連絡が取れなかったんだ、心配したんだよ?」
「おつかい、完了です!」
「お、おぅ……? そういえばおつかいに行って帰ってこなくなってたんだよな。これを、探し回って今まで?」
「ええ、大変でしたが、先生に任された試練、完璧にこなしましたよ」
「あぁ、これ自分の脚で探して手に入れてきたのか……グローバルネットの市場で注文しておいてくれというつもりで言ったんだが……まさか現地へ直接行くとは……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます