第2077話:シーリャン・ラキリ~自警団~
「この町はとても治安がいいんですよ」
「はぁ、まぁ確かにそのようで……」
見渡した感じ人々は笑顔であり、自衛の手段を持っているようにも見えない。
マジで治安が悪い街は大抵の人が見えるところに武器を携行している。
もちろん自衛のためだが、まぁまぁ武装をしているところを見せつけてやらないと強盗が襲ってくる。
だいぶ基準が低いかもしれないが、そうしなくてもいいってことは十分治安がいいとそういうことが気にしなくてよくなるんだよな。
「うちの街は治安は自警団が優秀ですからね。誰も悪事なんて働くことはありませんよ」
「もしかしたら暇すぎて腕が鈍ってるかもしれませんね」
「……まぁ多少は活動する必要があるので、肩慣らしにはなっているでしょう。外から来た人とかがこの街になじむ前とかに悪事を働くこともあるので」
「私は大丈夫ですよ、そんな心配したり念を押したりしなくても」
「それは良かった、くれぐれも自警団の糧にならないようにしてくださいね」
「気をつけますね」
案内されながらきょろきょろと見ていると、この街では珍しい武装をしている人を見かけた。
あれが自警団だろうか。
「自警団っていうからには行政の方で用意してる組織じゃないんですよね?」
「まぁそうですね」
「行政の方は何を?」
「自警団が台頭してくる前はもうひどいものでしたが、最近では小さくなってしまいましたよ。もうすぐ今の自警団が行政にすげ変わるんじゃないですかね」
「はぁ、革命間近ってかんじですね」
「ええ、そうなればまたよりよくなると思います」
さっき見た自警団とは思えない形相の武装した者のことは忘れて早めにこの街は離れることにしよう。
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