第2067話:リゴドー・ファイ〜コース料理〜
「生前にした失敗の話、聞いてくれますか?」
「あぁ、いいよ。飯の間だけな」
「ありがとうございます!」
今来ている店はコース料理の店だ、事前の調べでは料理と料理の間隔もそれなりにあり、長めの相談には向いているだろう。
「実は生前私は料理人だったんですが…… 料理で人を殺してしまったことがあるんです……」
「うん?」
食事中に効く話ではなかったかもしれない。
「ま、まぁミスは誰にでもある話でそれが人の命を奪ったなんて話もままある話だよ。こんな世界だしね。過失で死刑になった奴だってたくさんいるかもよ?」
飯がまずくなる話程度ならまぁ覚悟はしていたが、っまさか飯自体を食いづらくなるようなことを切り出されるとは思ってもみなかった。
「ちなみに、どんなミスだったの?」
料理と料理の間が長いことが裏目に出た。
食べている間は話が繋がらなくなるしなと思っていたが、無い時間がこんなに長いとは……
「こういうコース料理だったんですけど」
「ゴホッ」
むせた。
さすがにその相談の状況と今の状況が重なりすぎる。
というかよくこんな状況でその話を切り出そうと思ったなこいつも。
「それぞれの料理自体は大成功でおいしくできて、コースの流れも味の面では完ぺきだったんですけど……」
「食べ合わせが悪かったってこと?」
「そうです……」
「なるほどなぁ……へぇ、ふーん?」
気にしていないように見せてコースの内容を確認する。
こうやってメニューに載っているんだから食べ合わせの面も配慮されているはず……
気になって仕方がない。
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