第2046話:ペルディ・ヨーヨ〜破壊的〜

「あれ、これ壊れてるな」

 適当にピックした商品の動作を確かめようとしてみたら正常動作をしなかった。

「壊れた物を置いておかないでほしいなぁ、品質管理に難ありだ」

「本当ですか? 本当だ、壊れている」

「買う前に気づけたから良かったものの、気をつけてくださいよ」

 そう言って壊れたものを店員に返して、もう一つピックする。

「あれ、これも壊れてる?」

「流石にそんなはずは……壊れている」

「二つ敵等に選んでどっちも壊れてる可能性、めちゃくちゃ低いと思うんですけど、もしかして全部壊れてたりしません?」

「いやいやいやいや、そんなことはないですよ。ほらこれは正常動作しますよ、これを買っていってください」

 店員がピックした商品は正常に動いた。

 ただ私の運が悪かっただけなのかと受け取って試したところ

「壊れてる……」

 壊れていた。

 正常動作を店員が確認した上での故障だ。

 原因は店側ではなく、私側にあることの証明にもなってしまった。

「もしかして、あなたの体質が商品と相性悪いのでは……?」

「そうかもしれない、ですね」

 結局壊した三つの代金を払うことになってしまったし、目的のものは手に入れることはできず、更にはその店を出禁にされてしまった。

 そうか、体質か……体質なら仕方ないか……

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