第2045話:イーリマ・ビーズ〜大か小か〜
「お礼に大きな箱、小さな箱、どちらかを選ばせてあげましょう」
助けて家まで送り届けた小人が帰り際にそう言って、2つの箱を提示した。
「ってところで目が覚めたんだよね、結局どっちを選んだのか、何が入ってたのかは覚えてないんだ」
昨日見た夢の話を友人としていた。
「どっち選ぶべきだったと思う?」
「そりゃあ大きい方に決まってるぜ。小さい方を選ぶ理由がない」
「そりゃあそうなんだけど、昔読んだ童話で似たような選択肢が出てくるやつがあってさ、主人公は小さい方を選ぶんだよ、理由は覚えてないんだけど、結果的にそれが良かったみたいな書かれ方をしていたような気がするんだよな」
「なんでだよ」
「全然覚えてないんだよなそれが、逆に大きいのを選んだ人は酷い目にあっていたってことは覚えてるんだけど」
「うーん、欲深人を殺す罠ってことか?」
「あ、そうだ。確か主人公はその提示して来たやつに恩を売ったんだよ。俺も夢で見た中ではそうだったし、主人公は恩返しとしてその選択を提示されたんだ。もう一人は恨みを買ってるはず」
「じゃあ、わかりきってるじゃん。お礼だからいいものが入ってたんだよ。大きくても小さくてもいいものが入ってたと思うぜそれなら」
「あー、そりゃあそうか。お礼に用意したものででかいの選んで欲深いなこいつとか思わねぇよな普通」
「あぁ、しかもわざわざ中の価値に差つけるとも思わないし、でかいのだとでかい価値があるもので、小さい方は小さいけどでかいのと同じぐらい価値のあるものが入ってるんじゃねぇか?」
「その考え方は無かったな、お前頭いいなぁ。じゃあ俺も夢の中ではどっち選んでも良かったってことだな」
「いや、お前の夢なんだしでかい方選んだら酷い目に合ってたんじゃあねぇかな、そこまで考え回ってなかったんだし」
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