第2020話:ラウム・ライガス~海賊~
「なんでもできるなんにでもなれる世界だって聞いたからって海賊になったのはいいんだけどよぉ、商船のひとつも見つからねぇじゃねーかよぉー!」
「そりゃあそうですよ船長。この世界で海路を使って輸送している物なんてありませんって」
「宝島とか探して回ったほうが楽しく海賊できるでしょ」
「馬鹿め、海賊というのは商船を襲ってこその海賊! そもそも宝島に隠されたお宝という物がどうやってそこに隠されたかわかっているのか? 先の海賊が商船を襲い、それを持ち歩くこと叶わず埋めるなり拠点に隠すなりしたものだぞ」
「まぁ僕は別に宝島にもあんまり興味は……」
「私も別に他の船襲わなくても帆船でクルーズして暮らせればいいし~」
「あ、僕もそんな感じです。ていうか船長も最初そんな感じで人集めてなかったですか? 実物の帆船で海を渡り歩く生活をしようじゃないか!って広告見て僕らこの船に乗ってるんですけど」
「ぐぬぬ……」
「だって船長は船自力で動かせないんですもんね?」
「え、そうなの?」
「そうだよ。船長は暴力と浪漫の男(自称)だからね。まずは船を動かせるクルーがいないとどうにもならないと考えたんだろう」
「なーるほどー。じゃあどのみち海賊なんて無理なんじゃない?」
「まぁ船長は方針を指し示せばいいから、自分ができないことをできる船員を集めるのは正解だとは思うよ」
「馬鹿にしてるのかお前らは」
「まぁ馬鹿にしているわけじゃないですけど、今暴力に訴えると僕らが船を動かさなくなるんですが、それはよくないですよね?」
「ぐぬぬ……」
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