第2013話:レバー・モニタラ~無効にする~

「な、何ー!? 俺のエクストラスキルが発動できない!?」

「何人たりとも私の前では特殊な能力の発動を行うことはできない!」

「特殊な能力の発動を行うことはできない!?」

「ああ、これは私の周りの空間に刻まるルール! 特殊能力を用いて戦うこの大会において、最強の特殊能力!」

「おいおいおいおい、それじゃあ根柢から試合が成立しねぇじゃねーかよ! 何考えてんだお前!」

「ふふふ、文句は私ではなく私の能力を認めた大会審査員に言ってもらえるかな? 私はちゃんとルールに則って戦っているのだからね」

「ぐぬぬ……」

「このありとあらゆる特殊能力を無効化する特殊能力に加え、さっきからあなたが警戒するこの私の鍛え抜かれた肉体ッ……! 相手の特殊能力を奪ったうえで行う純粋なフィジカルの勝負を勝つための最強の肉体ッ!!!」

「ズルいぞ!」

「ズルくなーい!!! 特殊能力にかまけて肉体の鍛錬を怠っているあなたたちが悪いのよぉー!!!」

「ぐぬぬ……」

「鍛えて出直すことね! 必殺、鍛え抜かれたパンチ!!!」

「うわぁー!!!」


「まさかこの大会に完全無能力者の手練れが参加してるとは思わないじゃない? 審査員は何を見て特殊能力持ちだと判定したのかしら。まさかこの私の鍛え抜かれた肉体が負けるとは思わないじゃない?」

「確かに強かったけどアンタは特殊能力を封じた上でのバトルに勝ってきただろ? でも俺はさ、特殊能力を持った相手にもこの身一つで勝ってきたんだ。そりゃあもう練度が違うぜ」

「確かに……そうね……」

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