第1995話:メイラク・ポイルト~乱獲~

「ここイイね。警戒心が無い中型の動物がいっぱいいて、狩りにはもってこいだぜ」

「ああ、狩り放題ってもんだぜ」

「ほんとうにいい世界だぜここは」

 いつものように友人と森での狩りを楽しんでいた。

 その日は新しい狩場を見つけていつもよりもよりも楽しくやっていた。

 そこへ

「君たち動物の乱獲はやめるんだ!」

 そこへ一人の正義をぶん回しマンが現れた。

「乱獲、ですかねぇ?」

「僕ら、狩った動物は全て保存して食べるようにしてるんですが、これぐらい狩っちゃダメですかね?」

「ダメだダメだ、全て食べるというのは良い心がけではあるが、これではこの森の動物が全滅してしまう。全滅した生態系は二度とは元に戻ることが無いのだ……」

「いや、この世界で繁殖してるわけじゃないんだから無限に湧いてきますよ。なんなら湧かなくなったらそれはそれで全滅は免れないし、その辺で死ぬよりは僕らが狩って食べるようにした方がいいですって。どうせ、みんな死んだ命なんです。命を大事になんて言わなくてもいいでしょう?」

「いーや、ダメだ。森の生態系というのは繁殖するために個体数を稼いでおかなくてはいけないとかそういうものではないのだ。動物の糞は森を育てる、増えた木は動物が間引かねば増えすぎる。その循環を維持するためにはある程度の動物の数が必要になる。木が湧いたときにも土地の栄養が無ければ育ちもしないしな。そうなれば、いずれ森はここから消える」

「ふーん、そういうもんか。ヨシ、行こうぜ」

「ああ、彼は森が大事らしい。森じゃないところで狩りをしよう」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る