第1926話:フース・アラメン~裏切り~

「奴め、裏切ったな……」

 突然の襲撃を受けて逃げてきた仲間の隠れ家は物抜けの空。

 おそらく裏切られたと考えていいだろう。

 問題は襲撃を察知して先に逃げたのか、それとも奴が情報を流し結果として襲撃となったのか、まぁたぶん後者だろうな……

 しかし、なんで裏切られてしまったのか、心当たりがないわけではないが、むしろなぜ今まで裏切られてなかったのかが謎というほどか……?

 いや、以前から裏切られて内通者だったということも考えられる、というかあれほどクリティカルな襲撃を行えるということはだいぶ前の時点で裏切っており、会議のたびに向こうへ情報を共有していたと考えていいだろう。

 うーむ、しかしどうしたものか……

 他の仲間にも連絡を取ろうとしているが、ほとんど連絡が取れない。

 あちらも襲撃を受けたのか、それとも彼らも裏切りか。

 まぁ、裏切りっぽいかなぁ……

 連絡の取れた数少ない味方の数を数える、なかなか少ないな。

 うーむ、私も向こうに付いた方がいいか……?

 いや、それはできない。

 私が裏切るようなことは絶対にできないのだ。

 というか、私はボスなのだから裏切る時はもはやただの降伏なんだよなぁ……

 最後まで戦うか、生き残るために降伏するか。

 降伏した場合、先に裏切った奴らと顔を合わせるのが気まずいかもしれんな……

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