第1870話:メル・テピット〜古の規格〜

「なぁなぁ、この機会の充電器持ってないか?」

 そう言って持ち込まれたのは古い機械。

 古代の遺跡からの出土品とかではなく、単純に十数年前に使用されていた規格のコネクタだ。

「うーん、探せばあるかもしれないけど、もう使われていない規格だからな……骨董品というほど古くもない、生産ももうしてないだろうし、みんな当たり前のように使っててら乗り換えの際に処分してるだろうから、実は探すのが難しい品なのかも……」

「やっぱり持ってないか、もうだめなのかなぁこれも」

「そういうのは個人で持ってるの探すよりネットで持ってるのを出品してる人探してみたほうがいいかもね。探せばどこかにはあるものさ」

「そうだよな、なんて規格なんだ?」

「えーと何だったかな、テメロ6型とかそんな感じの名前、いやこれは7型か」

 今は12ぐらいが主に使用されている。

「まずは機械の型番で使うケーブルの種類を特定して……7型だったか、えーと7型のケーブルは……お、結構あるぞ」

「どれどれ? ほんとだ結構ある……けど値段高いなぁどれも」

「それは仕方ない、ものが珍しいし、忘れた頃に必要になったりするからさ。今みたいにな」

「ぐぬぬ、どうしようかな……この一回だけだし、むむむ……」

「なら一回使ってまた売りに出せばいいんじゃないか」

「そうか!」

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