第1867話:タリラッツ・フィオン~脳を破壊~
「お前の行動は相手の脳を破壊するんだよ……」
疲れた様子で先輩はそう言う。
私の行動が脳を破壊……!?
そんな、まるで歩くだけで人を殺す災害のような言われ方をしてしまった。
まさか……まさか私にそんな能力があったなんて!
「これからは一挙手一投足に気を付けて生活をしないといけませんね……」
「最初からそうてくれ」
「ちょわー! 先輩、私の方を見てはいけませんよ。脳が破壊されてしまうのでしょう!?」
「馬鹿が、もうとっくにこっちの脳は限界だ、黙ってろ」
「そんな……」
先輩はもうそこまで……!
そうとなればお別れ会を、企画しておかなくてはいけませんね……
いつ頃……?
脳が限界となっているのであれば、あと余命はきっと半年もないはず……
「先輩、会はいつ頃に行いましょう?」
「……? 何の会だ? お前はいつもそうやって自分の頭の中で話を完結させて発言するから話が通じないんだぞ……?」
「先輩のお別れ会ですよ!」
「…………? 別に俺はどこにもいかないが」
先輩は長い何かを考えるような沈黙の後そういった。
そうか、先輩は隠しているんだ……
いつかいなくなってしまうということを、周りに心配をかけさせまいとしているんだ……
そうならばお別れ会など無粋……!
いつも通りでいることがきっと大事なんですね。
「わかりました! いつも通り頑張ります!」
「何がわかったのかはわからないが……少し前にしたばかりの決意を突然覆すんじゃねぇ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます