第1850話:オファーム・トロープ~細菌~
「ぐわー腹が痛いー!」
「変なものでも食べたんですか」
「違う、消化できないものを食べた場合には確かにこうして腹痛に見舞われることもあるだろうが、古くなっているものを食べたりしたとかではこのような腹痛を起こすことはめったにないのだ」
「腹痛の割にはよく喋りますね」
「誤った理解は正さねばならぬからな、うぐぐ……」
「自身の名誉のためとかではないんですね」
「それは言ったところで君の中の私の印象が覆るわけではあるまい、言い訳がましいしね」
「それで、どういう理由で腹痛になっているんです?」
「その前にいくらか前提として知っておく必要があることがある。ある程度は説明したことがあるが、この世界に転生してくる際は、生存に良い環境を選んで生まれるんだ。多少の例外はあるけれどね」
「そうですね」
「それで、当然のように細菌は細菌にとって最適な環境に転生してくるわけなんだが、私の腹の中が細菌にとって最適な環境になってしまったということなんだ。そして、どんどん細菌によってより最適な環境にされていって、追加の細菌たちが転生し続けてくるので腹痛が続くというわけなんだ」
「なるほど」
「君も偶然腸内環境が細菌にとって最適な環境になったりしないように気をつけたほうがいい。私は腸内環境を一時的にぶち壊す薬を飲んで追加の細菌が入らないようにすることで対処するから、しばらく寝込む」
「はは、それはお大事に」
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