第1848話:カルパロ・テリアライ~おまけ~
「はい、これはおまけ」
「おまけ……?」
買い物をしたら、買っていないものをもらった。
おまけとは……?
おまけとはなんだと……?
これをお受け取るとこれの分の代金も請求されたりしてしまう奴だろうか。
ならば受け取るわけにはいかないだろう。
「いえ、結構です」
「えぇ、そんなこと言わずに、受け取ってくださいよ!」
嫌だ、いつも使っているお店で目的のもの以外の物にお金を払いたくはない。
なんで突然こんなことを言い出したのだろう。
「なんと言われようともそれはいりませんから、片付けてしまってください」
「そうかい? 残念だなぁ」
そうきっぱりと断ると、店主はしぶしぶとその商品を棚に戻しに行ってしまった。
やはり買い物をする際に必要なのは不要な物を売りつけられない強い意志なのだ。
もしかしたら今までの買い物時の態度のせいで、無理やり押したら売れると思われてしまっていたのかもしれない。
念のため、この店はこれから使わないようにしよう。
そして他の店での買い物でも厳格な態度を取ってなめられないようにしないといけない。
「ということがあったんだ」
「おまえ、おまけ知らねぇの?」
「もしかして追加でこれも買わないか?という提案のことではないのか?」
「買ったものとは別でくれるんだよ。常連だからお礼にとかそういう理由があってさ」
「何? そんなことがありうるのか? 何が目的で?」
「そりゃあ、日頃から店を利用してもらってるお礼とかだろ。お前はもっと人を信じることを覚えろ」
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