第1833話:テカ・ラウ~取材~

「あの人だかりはなんだ?」

「ああ、あれはテレビの取材だよ。知ってるか?テレビ」

「知ってるよそれぐらい」

「あれはそれの番組を作ってるやつらだ。いろんな人にいろんな話を聞くことで様々な内容の番組を作ろうと走り回ってるわけだな」

「それでどうしてあんなに人が集まるんだよ」

「自分の生きざまを知ってもらおうと人に話したがるやつって言うのはいっぱいいるんだよ。テレビ番組に出ることに対する価値が高いやつもいっぱいな」

「ふぅん、あれはなんて番組の取材なんだ?」

「しらん、テレビ番組を作ってるやつらなんてのは無数にいるからな。手軽にいろんな番組を作れるから、今は無数に番組が存在してる。そのうちの一つに出たところで、何か意味があるかどうかはわからんが、出たがるやつらという物はいるのだ」

「なるほどなぁ、俺も出てこようかな」

「ダメだ」

「なんでだよ」

「よく考えろ、無数にある番組で注目度が低いかもしれないとはいえ、無数に見ている人がいるんだ。俺たちのような恨みを買って逃げ回るようなやつらは映り込みにすら注意しないとだめなんだよ。さっさとここを離れるぞ」

「なるほどなぁ」

「ちょっと口惜しそうに見てるんじゃない」

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