第1832話:マラブ・ヤーマン~地底の森~
「迷った」
まだ昼間のはずだが空は暗い、いや見えないのか。
森の中を彷徨っていて、いまだに森の中。
このままでは野垂れ死んでしまう。
空が見えないほど濃い森だっただろうか。
一つの山を覆っている程度の森で、迷ったとしても少し彷徨えば出られると思っていた。
その油断のせいか、気づいたらこんなことになっていた。
おそらく、どこかのタイミングで穴に入ってしまったのだ。
そして、この辺りの誰もが知らなかったであろうことだが、この森は部分的に地下の空洞に繋がっていて、地下には大きな森が存在していたのだ。
そして俺はその地下空洞の森に迷い込んでしまったということだろう。
どうしたものか、方角もわからないし、来たはずの道もすでにわからない。
当てもなくさまよってもよっぽど運が良くなければ帰ることはできようもないし、そもそも運が良ければここに迷い込むはずもない。
「しかしどうして……」
この森は地下なのに結構な植物の茂り具合で、少々気味の悪い造形をしているが、よくみれば食べられそうなものもいくらか見かけられる。
「帰る道がわからないのならば、しばらくここに住むというのも有りかもしれん」
何とか生存ができて、この辺の地形が把握できれば帰る道もいずれ見つかるだろう。
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