第1826話:テギ・ソラメ~盤上の珠~
「このゲーム、アナログのくせに難しいよな」
「いや、アナログだからこそ難しいんだよ。デジタルならパラメーターの推測と計算でどうにでもできるだろう?」
「アナログだとその段階が無限だし、見えないレベルでの摩擦とかのパラメーターがあって難しいって話だろ? わかってるよ、それでも構造はシンプルだし、どう難易度を上げているのかもわかってるからうまいことそれを避けた計算でなんとかできると思っても、そうそううまくいかないんだよ」
そういってやっているのは盤上に掘られた溝に珠を転がしてスタートからゴールまで向かわせるという物だ。
デジタルゲームでは何度もプレイしてきて、最近ようやく木彫りのアナログ盤を入手することができて挑戦しているのだが、どうにもうまくいかない。
「コントローラーを使用する指だけのやつだと、楽なんだよこういうのは」
「しかし、まさか今までの経験で培ってきた傾向と対策が一切通じないとは、思わなかったよ。いくらかはジャイロコントローラーでやるやつもクリアしてたんだけどね」
「普通の珠で苦戦しているようだとね。見てみなよ、この球なんてわざわざ重心がずらしてあって高難度になるように調整されているんだ。デジタルゲームだとこういうのは無いんじゃないかな?」
「確かに、そっちの方も面白そうだ。しかしまずはこの普通の珠でクリアしてからだな」
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