第1817話:クーエ・パーファー~蜂~
蜂の巣を撤去しながら考えることがある。
蜂のような群体で一つの生物のように振舞う生物はどのタイミングでこの世界へ来るのだろうか。
兵隊の一個体一個体の死で来るのだろうか、そうだとすると女王の死ぬタイミングによってはこちらの世界で群れを維持できなくなって詰むだろう。
それは細胞で構築された生物が細胞一つ一つが死ぬごとにこちらへ来るような話に近いだろう。
やはり女王個体が死んだ時に群体ごとの転生だろうか。
もしかしたら巣丸ごとということもあるかもしれない。
と、そこまで考えて思い至る。
この巣の中には蜂の卵があるのかどうか。
それがもし、この巣の中で生まれた物ならば、群体の一、細胞ようなものとしての認識であれば新しい個体を生み出せるということになるのではないか。
意識共有ネットワークのような、多数の人間で一つの意識のような形のことをして、その内側ならば子を作ることも……?
いや、さすがにそこまでして子供を作りたくはない。
前の世界で子孫は十分残してきたし、この巣は観賞用にするための撤去だ。
中を暴いて台無しにしてはもったいない。
そもそも蜂の巣自体が珍しい物なので、研究者でもない俺が珍しい蜂の巣を破壊してまで考えることではないような話だ。
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