第1804話:クシ・ハリア~システム定義~
「いや、そんな機能は実装されてないよ」
「えぇ……でも実際にこうやって動いてるじゃないですか」
「そうなんだよなぁ」
僕たちはVR世界の運営をしていて、今その世界でちょっとした問題が発生している。
エンジニアが誰もシステムに実装した記憶がない機能が動いているというのだ。
「そもそも、実装するわけがないだろ? こんな、ユーザーの権限を一部相手に譲渡するなんて機能」
「そうだよなぁ、所持しているアクセサリーを渡すとかそういうのならともかく、相手のログインログを表示する権限とか、一部の個人所有のアバターを使用する権利とか、現実側のパーソナルデータなんて」
「だよなぁ、そういうのは要望が合ってもなぁ、どうにも実装するリスクが吊り合わない「いや、そんな機能は実装されてないよ」
「えぇ……でも実際にこうやって動いてるじゃないですか」
「そうなんだよなぁ」
僕たちはVR世界の運営をしていて、今その世界でちょっとした問題が発生している。
エンジニアが誰もシステムに実装した記憶がない機能が動いているというのだ。
「そもそも、実装するわけがないだろ? こんな、ユーザーの権限を一部相手に譲渡するなんて機能」
「そうだよなぁ、所持しているアクセサリーを渡すとかそういうのならともかく、相手のログインログを表示する権限とか、一部の個人所有のアバターを使用する権利とか、現実側のパーソナルデータの管理権限なんて絶対に渡せるような実装しないよな」
「だよなぁ、そういうのは要望があってもなぁ……」
こういうシステムはたまに要望はあるのだ。
ギャンブルの掛け金だったり、契約の担保だったり、システムで管理されているということはその世界では神が保証するようなことでもあるので、信用ができる。
ただ、そんなものをサービス運営としては自サービス内で使えるようにするわけがない。これは情報の管理の問題だ。
「それはそれとして、どうやって各種個人に紐づく権限をやり取りしてると思う?」
「うーん、ログにも残ってないんだよな。ただ該当の処理が走った後、権限の参照が変更されてロックされてしまってるんだよな。元に戻せんのも謎だ」
「変更があったユーザーの足跡をたどってその時の状況を見てみると、特にハッキングとかもなさそうで、なんというか、ノリでシステム定義されていない機能を呼び出してるように見えるんだが、そういう奴いるよな」
「いないよ」
「そういう世界観から来たんだろ……、どっちにしろこの相手の方もそいつも規約に違反した行為が多数確認できてるからBANしておくか……、深く確認するだけ無駄だな」
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