第1764話:ケー・ジラオ~想定外~
「しまった、想定外だ」
神妙な顔して突然そんなことを言い出したので、何をどう想定して、どう想定外だったのかを聞いてみた。
「今日は昼飯時には帰ることができる想定だったんだが……」
「それはお前が予定の時間を見てなかっただけだ。昼飯持ってきてないのか?」
「持ってきてない……、昼は少し頑張って少々お高いレストランを予約してしまったのだ」
「へぇ、それまたどうして」
「デートさ」
「デート!? 本当かよ、誰とだ? 俺の知ってるやつか?」
「知っている、と思う」
「誰だ?」
「イペル先輩だよ」
「イペル先輩!? そもそも知り合いだったのか、よく誘えたな」
「いや、今日の仕事が終わってから誘う予定だった。まだ面識はないが……」
「まだ面識のないやつから突然高級レストランでランチデートの誘いなんてされても普通断るだろ。昼に帰る想定が外れたと言うが、実際は予定を見てないだけだし、そもそもデートの誘いを直前にするのも断られることを想定してないし、ていうか事前に面識を作ってから誘えよ、神妙な顔して想定外だとか言い出したから何かと思ったが、結局話を聞いてみたら何にも想定してないだけじゃねーか! よくそれでレストランの予約を入れたな……」
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