第1761話:オキ・ツラキ~生産工場~

「これ、何かの工場かな」

「ベルトコンベアの上を何かが流れて行ってでっかい機械に吸い込まれて行ってるからそうなんじゃないか」

「雑な理解だな……俺も似たようなものだから人のことは言えないが」

「しかし、何を作ってるんだろうな」

「さぁ、少なくともあそこに流れてるパーツらしきものの形は全く心当たりがないな」

「文化の違いでそもそも完成形がわからないだけだと思うか?」

「俺たちの無知でわからないだけかもしれないな」

「きっとそうだ。このベルトコンベアたどって何なのか見に行こうぜ、先に何か当てられた方が勝ちだ」

「なるほど、いいね」

 そうして俺たちはベルトコンベアが流れる先へと進むことにした。

「これは材料をプレスする機械なんだな」

「ペタンコだ。あれに潰されたら死ぬな」

「この段階では不揃いな形の板だな」

「次行くか」

「次のはさっき潰したのを同じ形に切りそろえてるみたいだ」

「全然何の形か見当もつかん」

「俺もだ。他の形のパーツも流れてくるな」

「全部次で組み立てか、見知ったパーツが一個もないな」

「これ、やっぱり知らない道具が作られてるんじゃないか?」

「その可能性が高くなってきたな」

 その後も組み立てでまとまったパーツになったのを確認し、先へ進んでそれが何度か繰り返された後、ゴールらしきものが見えた。

「あれ、焼却炉じゃないか?」

「つまり、これは燃やしやすいようにゴミを一塊にまとめてるってことか」

「工場じゃなくて焼却所じゃないか」

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