第1747話:ケンチ・ファール~こだわりの~
「これがこだわりの……?」
「そう、こだわりが伝わってくるだろう?」
「そうですねぇ」
こだわりはわかる。
こだわって作られているのはわかるんだが……
「こだわりの、なんです?」
なんなのかはわからない。
正直なんなのかがわかりづらいので、こだわりもこれでいいのかというのはわからない。
「わかりません?」
「わからないですねぇ……」
「こだわりというのは人に伝わりづらいものですから、仕方ないでしょう」
「いや、まぁ……」
そういうわけではないんだが、なんだろうこの話の伝わらなさ加減は。
まぁ文化の違いというか、単純に私は知らないもので、向こうにとっては常識と言えるものだったとかそういう話かもしれない。
「これはですね、ここの角度がとてもきれいでしょう? 何度も作りなおしてこの角度を見つけたんです」
「そういうものですか」
「ええ、細部の話ですし、あんまり機能的には意味がないものですが、どうしてもね」
「なるほど」
ただ褒めるだけならここで「いいですね」と続けるだけなんだが、本当に理解できなさ過ぎて無理だこれは。
聡い人ならわかってないことがわかるかもしれないが、まぁ気づかれない程度にわかってないことを主張してくことにする。
「他にもここら辺が……」
話はまだまだ続くらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます