第1727話:イビ・カイナ~オーバーキル~
「正気か?」
「もちろん、正気だとも」
「いや絶対に正気じゃないね。少なくともそう、だってさ、あんたあたしを殺した後に、復活しないように冥府までおっかけてこいって言われて死んだわけでしょ? 絶対正気じゃないよ」
「いや、しっかりと冥府にてお前を捕捉したのだから、任務はきっちり遂行できている。問題はない」
「仕方ない、まぁそういうことにしておいてもいいけど、どうするんだ? あたしを殺すのか?」
「いや、俺の任務は再びお前を殺すことじゃない。もし殺して目の届かない別の冥府にでも行かれて復活されたら任務が達成できない。だから、お前には俺の目の届く範囲で生活してもらう」
「えー、別にそこまでしなくてもほら、あんたも説明受けたでしょ? こっちからあっちに帰る方法はないんだって。だから別にあんたの監視なんてなくても、あたしはあっちに帰ることもできないし、心配してるようなことになんてならないって」
「それを判断するのは君ではない、私だ。先にも言ったように、この世界で死んで別の冥府を経由でああっちへ戻るということを考えるかもしれないだろう?」
「しないってば、だって私的にはあいつに対して恨みはあるけど、機会があればこそであって、そんな無茶してまで果たすような恨みじゃないもの」
「しかし、任務だ。しばらく監視させてもらうぞ」
「しばらくって、いつまで?」
「中止の命令が下るまでだ」
「絶対来ないやつじゃん……!」
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