第1726話:フラピ~待機施設~
まだか……まだなのか……
俺はここで待ち続けている。
ずいぶんと前、俺はここで待機するように指示されてそれ以来迎えは来ていない。
必ず迎えに来ると言ってからどれだけ経っただろう。
この待機用の施設で、新たなことは何もできず、ただ腐りながら待ち続けるだけ。
そんなのは耐えられない。
幸い、この待機施設にはほかにも何人かがここで待機をしているから、それを取りまとめて意志の統一などをして暇をつぶしていたがそれももう限界、人は一時的にまとまったとしても彼らもそれぞれに寄る辺、待つ者がいるのだ。
今ではすでにバラバラ、一時でもまとまっていたなど信じられないありさまだ。
しかし、いったいいつまで待ち続ければよいのだろう。
早くしてくれないと俺は待っていることすら忘れてしまい、ここに入れ替わりくる者たちを一時的に手下にしたり、対立したりする、ここの主になってしまう。
それでもいいが、俺は解放されて帰りたいのだ。
そうでないと、ふと考えてしまう。
「俺が待っていることは忘れられてしまったのでは?」
首を振ってそんな考えを振り払う。
そんなはずはない、俺のことを忘れたり留守わけがないんだ。
待ち続ければ、必ず迎えは来てくれる。
そんな時、名前を呼ばれた。
来てくれたのだ、朝からずっと待っていた、母さんが。
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