第1717話:ジョイレード・ブルーン~かく乱~

「なんだぁ!?」

 追っていたやつが突然、こちらに向かって何かをばらまいた。

 とっさに投げたにしては量が多い、入り組んだ場所に飛び込みつつの行動だからおそらくこれはあらかじめ用意していたかく乱用の何かだろう。

 ばらまかれたものを嫌がり顔をそむけるタイミングでどこかの路地に飛び込んで撒く気だろう。

 ならば防御を固めつつ見失わないようにつっこんでしまう、どこに飛び込んだかさえわかってしまえば追うことが可能。

 ゴーグルだけおろしてしまえば目に入ることはない、突っ込んだところでどうともない。

 入り組んだところで使えば崩落の危険がある爆薬でもあるまい。

 それならば礫か、煙玉ぐらい。

 煙玉だとちょっとまずいが、用心しているじょうたいならばなんとかなるだろう。

 いろいろな状況を想定して追いかけていると、彼が投げた礫が光始めた。

 やはり何かの仕掛けが存在していたか。

 光ったといっても目を焼く閃光ではなく、何かの反応光といった感じでこれから何かが起こるような。

 そして、その礫は追っている者の姿を取り、本人を含めて入り乱れて路地に消えていった。

「ぐぬう……」

 さすがにこのパターンは想定していなかった……

 やけに逃げるのに自信を持っていると思ったら、こんな隠し玉があったのか……

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