第1705話:シーイン・ルーフェ~町の構造~
「この町ってさ、なんでこういう迷路みたいな構造なの?」
多少複雑な立体迷路状の町、どこかへ行くにはかならず一つのルートしか存在しない。
「そうだなぁ、昔この町を設計した人が結構な変人でね、なんというか奇妙な設計をしたんだ」
「奇妙な設計……?」
「そう、最初に居住区とか道とかを引いて区画を作ったりしたわけなんだけど、何を思ったか手元にあった迷路ブックを参考に区画を引いたらしいのよね……」
「何を思って???」
「さぁ……何かを思ってなんだよ、きっと」
変人、思ったよりも数段変人だった……
「いや、さすがに何を思いついても今から作る町を迷路ブック参考に作ろうとは思わないでしょ……」
しかもこの三重立体迷路ってどんな迷路ブックだ。
「まぁ、私は今のこの町の構造結構気に入ってるけどね」
「ウソだろ……どこにこの町の構造を気にいる要素があるんだよ」
「そりゃあ、逃げたあんたを確実に追い詰めることができるからね、どう逃げたとしても袋小路に追い込めるだろう?」
「なんで迷わずに追ってこれるかっていうのも不思議なんだが?」
「あんたの逃げる方ぐらい、余裕でわかるよ。ただ、脚が速いからこの町の構造には助けられてるって感じかな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます