第1609話:オブリ・トレーシュ~固定器具~
「うおわあああぁ!!! 折れたぁ!!!」
そんな大騒ぎする声を聞いて向かってみると、何かを固定していた器具の脚が折れていた。
「ねぇこれ大丈夫かなぁ! 折れちゃったんだけど、特に揺らいだりしてないし問題ないよね!?」
「いや、知らんが。何して折ったんだよ」
「ちょっと躓いて転んだんだよぉ、そしたらそのままバキッていってさぁ」
「うーん、まぁ見た感じ安定してるし、これが一本折れたところで大した問題はないように見えるな」
「そうだよな、問題ないよな?」
「いやわからんけど、管理してるところに連絡入れておいたほうがいいかもなぁ」
「そうだよなぁ、ところでこれどこが管理してるの?」
「知らんが、ていうかこれそもそも何だ?」
「さぁ……でかい球? 誰かが作って置いてるオブジェかなんかかな」
「いや、俺は違うと見るね。これはおそらく魔人かなんかの封印の珠に違いない」
「なるほどね?」
「そしてこの固定器具はその魔人の枷になっていたのだ……」
「もしその説が正しいとしたらこれ、その封印の枷を一本折ったということになるんだが、それでいいのか?」
「いや、違うわ。これはただの投棄されたでかい玉だよ。転がると危ないからこうやって固定されてるだけだね、きっとそう。とりあえず添え木して縛ってうまいことずれないようにだけしてさっさと逃げよう」
「おいおい」
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