第1597話:コウケ・オルツ~最速クリア~

「ダンジョン初心者にお勧めという触れ込みで有名なハルホフトの穴に来ています。初心者ダンジョンという名前が通り過ぎてハルホフトの穴って名前は全然知られてないですね。入口の看板にも初心者ダンジョンと大きく描いてある割にはハルホフトの穴って表示は探すのに一時間かかるぐらい小さく書いてありました。私は当然のようにこんなダンジョンは卒業しているほどダンジョン慣れはしているし、そもそもここは既に撮り尽されていて最奥には「初心者卒業の札」というものがあるだけなんだけれども、たまに物好きな熟練者たちが初心者ダンジョンクリアタイムアタックをしてるんですね~。私もその物好きの一人なわけなんですけど。装備としては布の服、まぁ普段着ですね。おしゃれでしょ~? 武器はちょっと堅めの棒を持ってきました、ですが魔法は使いません、魔法発動体じゃないしね、この棒は。一応武器種別を付けるなら片手剣かな? 携帯端末デバイスも撮影とかのための自動追尾やら録画やらをめちゃくちゃ高機能にしてるため魔法使ってる余裕はないです。つまりレギュレーションは基本的な身体能力物理のみの縛りですね。まぁ戦闘はするつもりはないし、初心者程度の身体能力でできる動きに限定してやっていきます~、あれでも反射神経とかそういうのは初心者さんでは無理なのかな? まぁいいか。はいでは潜っていきまーす、タイマースタートです!」


「はいお疲れさまでした、これが初心者卒業の札ですね、ダンジョンの最奥に感熱紙プリンターが置いてあるのは少しシュールな気もしますが、まぁ初心者の卒業ですからね、そんなもんですよ。中級者ダンジョンなら質が向上するのかな? いやまぁ私は知っているわけなんですけども、そちらについては別の人の出してる動画とか、もしくは自分で頑張って見に行ってみるといいんじゃないでしょうか。おっと、タイムは表示されてるはずですが、ちゃんと言ってから終わりましょうね、20分33秒、まぁまぁですね、まぁまぁって感じ、今の世界記録ってどれぐらいだったかな? 10分ぐらい? いやぁ、すごいですね。では次回はガチ装備で本気で同じダンジョン攻略をしていきます~! また見てね! あ、そうだ最後に言っておくことが一つありますね、今回の攻略はすべてを知り尽くしたうえでのうごきになるので、本当の初心者さんが「余裕じゃん!」って言って挑みに行くと余裕で死ねるので気を付けてくださいね~! では、次回はハルホフトの穴を派手に蹂躙していく予定なのでよろしく~!」

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