第1541話:リヴァ・チャル~武器をしまう~

「これは、命を奪う物だ」

「まぁ殺傷用の武器ですからね」

 突然呼び出されて能力を知ってほしいというから話を聞いてみた物の、出てきたのは何の変哲もない銃器が一つ。

 私は銃器に詳しいわけではないので、なんという銃なのかはわからない。

「で、この銃がどうかしたんですか? 能力を知っている可能性がある私を今から殺す?」

「いや、そういうわけじゃないが……、もう知ってるのか?」

「いえ、何も? 私もなぜあなたがこうして呼び出して能力の話をしようとしているのかすら検討つかない状態よ」

「そ、そうか……。まぁ知ってたらそんなこと言わないか。むしろ知ったのは俺の方だしな」

「何を?」

 私の何を知って私に能力というものの話をしようと思いついて、私によくわからない銃を見せてるのか。

「君も能力者だってこと」

「待って、何のことを指して私を能力者と言っているのかがわからないのだけど」

「え?」

「そもそも、あなたは何を指して能力と言っているの? まずはあなたの能力を見せてもらってからでいいかしら?」

「あ、ああ、そうだな。俺の能力はこの銃を、無数に出現させることができる能力だ」

 そう言うと、彼は次から次へと先ほどの銃を取り出した。

「こんなもんにしておくか、消せないから出しすぎると片付けるのが大変なんだ」

「ああ、こういうのをあなたは能力と言っていたのね」

「そうだ、君も大砲を出せるだろう? 昨日見た。何を撃っていたかまでは見えなかったが……、君も敵に狙われている身なんだろ? だったら協力した方がいいと思ってさ」

「あー、大砲ってこれのこと?」

 しまってあった大砲を取り出して置く。

「そう、それだよ」

「これは私の能力では無いわ、ただしまってあって、あの時必要だったから出しただけ。いろいろ入る鞄にいつも入れてあるのよ、便利だから」

 大砲は移動に使ったり、重りにしたり、物を遠くに飛ばしたりできるから結構使うことが多い。

「いろいろ入る鞄は能力じゃない?」

「これぐらい誰でも持っているでしょう? 少なくとも、私のいた世界ではそうだったわ」

「まるでゲームの世界みたいだね」

「似たような世界があるの? じゃあ、普遍的なものなんじゃない?」

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