第1538話:ジュブ・レイハル~命の形~

「気持ち悪い……」

「人が多いところは苦手だったな、人酔いするのか?」

「いや、人が多くて酔うって言うよりも、人の種類の多さに慣れなくて……」

「俺にはそんなに人の種類が多いようには見えんが」

 どいつもこいつも普通の人間に見える。

「みんなばらばらだよ。たぶん生まれの世界が違うんだと思うけど、みんな命の形が違うの」

「ああ、お前はそういうのが見えるんだったな」

「うん、前はそう気にならなかったんだけど、ここはダメ。種類が多すぎるから」

「ふぅん、そういう物か。例えばあの人の命の形はどんな感じだ?」

「あの人は器があって、そこに命が盛られている。二つあって一つは空になっているから、前は寿命で死んだんだと思う」

「あの人は?」

「珠、ヒビが入ってるから最近大けがとかをしてるかもしれない。たぶんあれぐらいなら治るんじゃないかな」

「そんなことまでわかるんだ。ちなみに今この場にいる人って何種類ぐらいいるんだ?」

「……だいたい把握できるだけで15種類ぐらい。何が人間の命の形かわからなくなってすごい気持ち悪いのよ……」

「ああ、そうかすまん。じゃあどっか個室のある店に入ろうか。そっちの方が話は早いと思う」

「うん、そうしよっか」

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