第1536話:レイウ・フロース~雨に沈んだ町~
「雨、止まないね……」
「ああ」
旅の途中にあった湖を小舟で来たのだが途中で雨に降られ、湖に半ば沈んでいた建物で雨宿りをしてはや10日。
一考に雨の勢いが衰えることは無く、ずっと降り続いている。
雨が水面で跳ねて霧になり、視界は悪い。
「これそもそも止むのかな?」
「ん、どういうこと?」
「雨がさ、止まない世界っていうのもあるから。ここはそういう場所なのかもしれない」
「止まないかもしれないのね、どうする? 無理やり雨の中進む?」
「いや、それはあまりよくない。視界が悪いし、身体も冷える。僕らの小舟ではこの雨の中じゃ沈むかもしれない」
「じゃあどうするのさ」
「しばらくこの建物でも探索しよう。今誰もいないってことは、上手く外へ出られる方法があるってことだろうからさ」
まぁ気休めだが、建物があるということはそれ以前は雨が今ほどは降っていなかったという事。
何が原因でここの盆地が水没するほどの雨が降るようになってしまったのかはわからないし、それ以前に脱出したかもしれない、もしくは死ぬのを覚悟で外に向かったかもしれない。
はたまた、最初から無人だったかもな。
「さて、キャンプの跡を片付けて。とりあえず浸水してない場所を探してみよう。もしかしたら雨を止める機械とかが見つかるかもしれない」
それが見つかれば、楽だが……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます