「変わらないものって何だろうか」

「そんなものは無い。ありとあらゆるものは不変足りえず、流転する」

「いやいや、あるかもしれんぜ？　なんたって世界は広いからな。よし、探しに行こう！」

「めんどくさいが……」

「そのままでは君が不動の名を得てしまうぞ！」

「その不動は不名誉な気がするな……」

「どうせ家にこもっていても暇だろう？」

「僕は本を読むのに忙しいんだが……、この世界の知識は無限に等しい。時間が足りない」

「そういうもんは本の知識だけじゃなくて実際に出かけて得ればいいんだよ！　フィールドワークってやつさ！」

「まぁいいか、君だけで旅に出させるのは些か危険だとも思っていたんだ」

「別にちょっと行って帰ってくるぐらい俺だけでも何の心配もないぞ？」

「ん、ちょっと行って帰ってくるってどこまで行くつもりだったんだ？」

「この町の中で探そうかなと」

「そうか、じゃあ一人で行ってくれ。僕はここで待っているから結果だけ教えてもらおう」

「やっぱり不動じゃないか」

「じゃあお前は不変の馬鹿だな。よかったじゃないか、不変不動がそろったぞ」

「本当だ！　揃った。なんだやっぱりあるじゃないか、不変不動」

「馬鹿は馬鹿でいいのか、お前は……」

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