第1515話:イレテ・カレリオ~遺跡の宝箱~

「お、宝箱だ」

「ずっと思ってたんですけど……、宝箱ってなんです?」

「何って……、宝箱は宝箱だろう。宝が入った箱、まぁ時たまゴミしか入っていないこともあるが」

「いやいや、それはわかりますよ。なんで宝物が宝箱に入った状態で配置されているかってことです、わかりやすく!」

「おいおい、宝箱ができる仕組みもしらないのか?」

「宝箱ができる仕組みなんてあるんですか? 誰かが箱に宝物を入れておいて置く以外に何かあるって言うんですか」

「そりゃああるさ、お前、まさかこの遺跡の主が遺跡が滅びる前に大事なアイテムをしまってから滅びたと思ってるのか?」

「それ以外に何があるっていうんですか、ていうかそれに納得がいってないから聞いたんですけど?」

「まぁそうだな。普通そう思って誰でも疑問に思うよな。遺跡にもよるけど、この遺跡の場合は宝箱虫だな」

「宝箱虫」

「結構でかい虫でな、遺跡を歩き回って値打ちのあるものを腹にため込むんだ。そんでその辺の隅っこに隠れて死んでるのがこの遺跡の宝箱だ」

「宝箱虫なんですかこれ?」

「種類によっては鍵がかかっていることもある」

「そういう生態の虫だから?」

「そう、そういう生態の虫だから。他の遺跡にはそういう鉱物が生えることもある。価値に反応して覆い隠す性質があるんだな」

「宝箱とは……」

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