第1504話:ケルア・フェンガ~吸血鬼~
血が吸いたい。
いや、血は血液パックがその辺で買えるから血を飲むのに不自由することはないのだが、人から直接吸いたい。
私も吸血鬼をやって長い。
人間から直接吸血を成功させるのに必要な条件ぐらいよくわかっているし、成功させた後の面倒さもわかっている。
そもそも、死んだ理由が人間からの吸血をしていたらとても強い人間に対策を万全にされたうえで挑まれ討たれたというものだ。
つまりは、人間から無理やり吸血をすると危険視されて討伐対象にされてしまうということ。
同じ轍は踏まない。
もし人間から吸血するのであれば完全に同意の元、絶対に他者には漏らさないという契約を結ぶ必要がある。
そうすれば他の人間に私が好んで人間から吸血を行うような人間に危害を加える可能性がある吸血鬼であると認識される可能性はゼロになる。
だから、吸う相手を適当に見繕って背後から襲いかかってガブリとすることは不可能なのだ。
だからと言って、吸血させてくださいなんていう看板を掲げてターミナル周辺を歩き回るなんてこともできないのだ。
私には吸血しそうがありますなんてことを掲げて歩いたら即討伐対象だ。
なので今はグローバルネットの掲示板に吸血してもいいという人を募っている。
絶対に個人を特定できない状態にして、同意が取れて契約が完了した際にやっとお互いの情報がお互いに届くという仕組みだ。
そのころには契約の効果でお互い他言することができなくなっているというわけだ。
あまり人目につくとわからないようになっているとはいえ、バレる可能性も無きにしも非ずなので、こっそりと人目につかないグローバルネットの片隅の片隅の裏みたいな場所に出しているから、未だに誰一人のアクセスもない。
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