第1460話:フレバイ・ガリドル~平和の維持~
「平和を維持するというのは、ずいぶんと労力がかかるものだ」
かつて俺を育てた男はことあるごとにそういったことを言っていた。
その男は、ある日突然小さないさかいに巻き込まれて争いの日々に巻き込まれて、死んでしまった。
最後の最後まで同じことを言い「疲れてしまったからなぁ」と続けていた。
彼に言わせれば、彼の生活から平和が失われてしまったのは彼自身が怠けたのが原因だということだ。
程なくして俺も争いの中で死に、この世界では彼に会うこともなく、一人で平和に暮らしている。
争いの中に身を置いた時間が長かったので、平和を望む気持ちが多くあり、人を避けて森の奥で暮らすようになった。
今は努力の甲斐あって、平和に暮らしている。
おっと、何かが来ているな……
木の上に作った小屋から少しだけのぞかせて様子を見る。
外敵、経験上あの見た目の者はこちらを害する意図があるような気がする。
仕方ない。
相手側からは視線が通らないようにしてこっそりと小屋を出る。
木の中を隠し通路にしてあって各所の茂みに抜けられるようになっている。
そこを見つからないように通って、後ろを取る。
かなり準備はしていてもどうにも大変なことだ。
やはり平和な暮らしを維持するのは大変だな……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます