第1456話:スグラ・ヘベキド~公開処刑~
みなさんは公開処刑というのを経験したことがあるだろうか。
いや、「まるで公開処刑だ」みたいな経験の話ではない。
実際に衆目の集まる中で処刑されるという経験だ。
まぁ大抵の人は無いと思う。
私だってない。
しかし、今私の人生にその普通は無い公開処刑の記録が刻まれようとしている。
つまるところありていに言ってしまえば、今まさに公開処刑されそうになっているというわけだ。
こんな時、事の起こりはなどと語りには入れれば主観的な時間は稼げるのではないだろうかと思うのだが、長く語り続けられるほどの事情もない。
こうして無駄なことをつらつらと挙げ連ねて時間を稼ぐしかない。
まぁこれも主観的なものであって事実上進行している時間の早さには変わりがないのだ。
それでも最低限の時間を稼ぐために語っておこう。
まずこの街はいま、魔女狩りと称されるにふさわしい現象が起こっている。
なにやら不幸が蔓延していて、原因探しの真っただ中らしい。
私の経験上こういう時はただ景気が悪くなっていて発生することの平均が下がっているだけだとは思うのだが……
とまぁそんなところに運悪く来てしまったのが私というわけだ。
街に関係のないよそ者である私をこうして公開処刑することで「悪しきものを排除しました」というポーズを取って全体の意気向上を図ろうとしているんだろうというのはわかる。
しかしその方法に使われる方としてはたまったもんではない。前時代的というか、未発達世界的な発想だ。
さて、この悪あがき的なモノローグもここまでのようだ。
それでは、あるのであれば来世で。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます