第1426話:フレシオ・フレバイ~古城~
「古城は崩れる」
「はい?」
「古城と言ってもこういう石を積んで作られた城のことだが……、建築法や防衛の都合上楔を抜けば崩れることがある」
「なるほど、それを今言う理由は?」
「それは、こういうことだ」
そう言って楔を見せてくる。
「なるほど、ここって地下室ですよね?」
「ああ、急ぐぞ」
「崩れませんね」
「油断させておいて裏では機構がガチョガチョ動いているに違いない。逃げなければ生き埋めは間違いない」
「お宝をあきらめてまで逃げる程かなぁ」
「生き埋めよりはましだろう、崩れなかったら再び取りにこればいい」
「階段が長くて往復がめんどくさいよ~」
「それはそうだな……、しかしこんなに階段長かったか?」
「もしかしてさっきの楔はこの階段を上に伸ばすギミックを動かす物だったりして」
「そんな馬鹿な、この古さでこの構造の城にそんなギミックがあるわけないだろ!」
「偽装ですよ偽装! それならよくある話でしょ、城主の趣味で古城にしてるなんてことは。崩れる心配はなさそうだし戻りましょうよ、たぶんこれ地上より高くなってますよ」
「そうだなぁ……、降りるか」
「降りながらどうやって脱出するか考えましょう」
「とりあえず地上辺りで壁をぶち破ればどうにかなるだろ、高度計を……?」
「どうしたの?」
「いや、まだここは地下の表示なんだよな……」
「えぇ、登っていたはずじゃ……」
「罠の類だな……、どうしたものか……」
「まぁ戻ってから考えましょうか」
「そうだな、仕方ない。戻れるかどうかはわからんが」
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