第1380話:ルウル・カステリオ~一つ目ドラゴン~
「一つ目ドラゴン?」
「そうさ、一つ目ドラゴン。最近近場のウェルラ山に住み着いたらしいんだ」
近所の山にクマが出るようになりましたぐらいのノリで一つ目ドラゴンが出た話をされても困る。
「ドラゴンが出たとして、どうするんだ。駆除依頼がすでにされているのか、俺たちに関係がない話なんじゃないのか?」
「いや、まぁ話題として出しただけなんだけど、見に行ってみないか?」
正気ではない。
ドラゴンというものを生まれてこのかた見たことが無かったし、死ぬ前に至っては幻の存在だった。
そんなものが近くの山に現れたから「見に行ってみないか?」という気持ちはよくわかる。
しかしそれは無害な珍しい動物とかの話で、ドラゴンなんて大きくて危険度が高い生物が現れたと聞いて「見に行ってみよう!」とはならない。
「行かない、ドラゴンなんて危なすぎるだろ」
「そんなこと言うなよ~、ドラゴンって言っても一つ目ドラゴンだぜ? 普通のドラゴンよりも目が少ない、なんなら俺たちよりよりも一つ少ないぐらいだ、そんな危険じゃないと思うぜ?」
驚いた、こいつ生物の危険度を目の数で計っているのか?
いや、一つの基準にしているだけかもしれないが、それでも一つ目だから普通のドラゴンよりも危険度が低いと考えていることは確かだ。
そもそも普通のドラゴンの危険度自体がわからないけど、正気とは思えない……!
こんな奴と一緒に危険が想定される場所になんて行けるわけがない……
だから返せる答えは一つしかない。
「行かない……!」
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