第1340話:テレポ・ホット―~星の物語~
「星の数を数えたことはあるか?」
「無いよ、無為だろう?」
「そうとも言い切れないさ。星読みは有意義な趣味だよ」
「趣味なのか、実利はないんじゃないか?」
「まぁ、占いができるかって言ったらできるような情報は取れないんだけど、ちょっとした面白味はあるさ」
「ふぅん、どんな?」
「空の光で星と呼ぶが、実際あそこには恒星や惑星があるわけではないのは知っているかな?」
「確か向こうの大地の営みの火なんだよね」
「そうそう、直接目で確認した人はいないと言われているけど、そうだと断言できるだけの状況がある」
「まぁそれは知ってるけど、それがどうかしたのかい」
「わからないかい? あれは事実上別の世界の営みの火だっていうことはね、あれを観察することは物語を読むのと同じようなことなんだよ」
「なんて?」
「だからさ、あの空の星を読むことであっちの世界の生活の一端を読むことができるんだよ。例えば星の移動は住居の移動だし、消えた星はそこから人が失われたということだし、流れ星が星を砕けば何かただならぬことが起きているということになるだろう?」
「なんとなく言っていることが分かるようなわからないような」
「僕は星の動きに物語を見出すけど、何でも見方を考えれば物語が見えてくるものさ」
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