第1338話:フィジキ・ラライ~世界の始まりの話~
「この世界は最初、たまごから生まれたと言われている」
「転生卵?」
「そう、世界だって消えるとか崩壊するとかしたらこの世界に来るんだ、転生卵に入ってな」
「それは別の崩壊した世界が転生してきただけでは?」
「そうかもしれない、実際はどうかわからないよ。見た人がいるわけでもない、構造が複雑化しすぎて調査ができるでもない、そうじゃないかという推測から作られたおとぎ話のような物さ」
「しかし、この世界が生まれる前に死んだ生き物や崩壊した世界はどこに消えていったんだろう?」
「ここみたいな世界が他にもあるか、ただ消えたか」
「消えるのか……」
「そもそも、崩壊した世界がこの世界に来るっていう認識事態が正確ではないから、実際は死を何らかの手段で検知し、それを再構築してるだけだから死んだ物は死んでるし、この世界に来る側では記憶は連続しているように感じるが実際は連続していない」
「どういうこと?」
「わかりやすい説明ができる自信がないが……、俺たちの存在と言うのはコピーされた存在だ」
「コピー?」
「そう、コピー。質は殆ど変わってないが本物じゃない。例えば死んだあと生き返ってまだ社会に戻るような世界があったとする。そこの住人もこの世界に来る。元の世界で生活が続いているにもかかわらずだ」
「つまり……どういうこと?」
「死んだ人が死んだ判定が入った時点でこの世界に幼体時の肉体でコピーが作られるということ」
「僕は元の世界で間違いなく死んで生き返ることはないと思うけど、それでもコピーなの?」
「そうだ、コピーが残ってコピー元は消える。よくあることだ」
「それで、この世界が無かったら消えた世界はそのまま消えるっていうのは」
「コピーされることがないだけ、そのまま消えるのさ。簡単な話だろう?」
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