第1336話:ヒカエ・ハテオニ~神のいぬまに~
「では、留守を任せるよ。何もないとは思うけどね」
「はい! 行ってらっしゃいませ!」
神様を送り出し、門を閉める。
今日は年に一度の神様の集会があるという日だ。
この先二週間は帰ってはこず、その間何もなければ実質自由だ。
そして過去10年の間この期間に何かあったことはない、別にそれ以外の時にも何もないんだけれど。
つまり、やりたいことが何でもやれるというわけです!
「さて、何をしましょうか……」
とりあえず町に出て買い物を、しばらくは神様もいないのでいつもよりも少な目。
「ヒカエちゃん、神様は今日から集会だろう? 困ったことがあればいつでも言いなよ!」
「ありがとうございます。でも、大丈夫です! 私だって神様の付き人をもう10年もしてるんですから!」
さて、次は……
神様がいるときはできない大掛かりな掃除をします。
庭に面した雨戸や障子を区画ごとに外して戸棚の中身もすべて出し奥に溜まった埃を掃き出す。
それを二十四ある区画すべてで行い、他にもこまごまとしてるけど量の多いところを済ませる。
二区画終わらせたところでそろそろ晩御飯の用意をする時間。
神様もいないので神様の好みよりも私の好みで作る。神様は甘い味を好むけど、本当は私は甘味はお菓子だけでいいと思っているので、この間は砂糖控えめの卵焼きや少ししょっぱいぐらいの味噌汁を作り食べる。
一人でお風呂に入って、布団を敷いて眠りにつく。神様の長い話に付き合わされることはない。
「ただいま、なにもなかったかい?」
「お帰りなさいませ! 大事些事問わず何もありませんでしたよ」
「そうか、それは良かった。お風呂は沸いているかな」
「はい! ご用意できていますよ!」
二週間が経ち、神様が帰ってきてまたいつも通りの日常が始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます