第1311話:フタタ・ヒシヒロ~呪われた体~

「転生に際して、ありとあらゆる身体的変化の類は失われると聞いていたのですが」

 生まれ直し、身体が子供のころに戻っているという話をされ、恐る恐る頭を触ったところ、それはまだあった。

「極稀に例外もありますから」

「極稀な例外に当たってしまったというわけか……」

 この身に宿した呪い、死して生まれなおしても消えることなく在り続けていた。

「まぁ傾向としては肉体ではなく、魂や精神に根差した系の呪いは残りやすいみたいですね。あなたのそれもそういうことなのでしょう」

「まぁ、消えなかったのは残念ですが、付き合いは長い物なので諦めますよ」

「そうですか、まぁあんまり珍しい物でもないので、気にしに過ぎない方がいいと思います」

「はぁ……?」

 極稀にあるだけの例外のはずでは……?

 珍しい物でもないというのはどういうことだろう。

 そう思いながら外へ出ると、珍しくないと言った方の理由はすぐに分かった。

 街には多く呪いを身に宿している者がいた。

 俺よりも深い呪いが全身を覆っている者もいる。

 確かに珍しくはないが……、極稀な例外……?

 いや、違うな。これは、この呪いを振りまいている者がこの世界のどこかにいる……!

 呪いをかけることができるということは、呪いを解き方も知っているということ、探し出して解呪の方法を聞きださねば……!

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