第1310話:ヒーテ・シマ~完成して終わり~
人生というのは完成して終わるものだ。
私も私という存在を完成させたので終わらせた。
そうした結果始まってしまった次の生。
既に完成しているはずの人生に次を与えられたところで何もないのではないだろうか……?
いや、それとも前の人生は未完成であったと、そういうことだろうか。
ならば、まだ足りないものをここで見つけて完璧に完成させて終わる必要があるということになるな。
肉体、まずは何をするにも基礎となる肉体を整えていく必要がある。
どういうわけか体は子供になっているので基礎から組みなおしになるな。
まぁ、また一生。
時間はたっぷりあるのだ、じっくりやっていくことにしよう。
「これは、思ったより無理だな……」
一度為したこと、大して苦労もあるまいと毎日体づくりをするための筋力とレーニングに励んでいたが、これは無理だ。
前の人生での私はどうしてあそこまで完成した肉体に到達できたのだろうか。
毎日筋力トレーニングでこのメニューをこなしていたはずだし、精神的なものは今に引き継がれているので精神的に弱化して耐えきれないということはないはずだ。
この世界では負荷がでかい……?
もしや、そういうことなのだろうか。
この世界ではより先の完成を目指すことができる、セカンドステージということか……?
なるほど、人生の完成の形は一つではないとよく言ったものだ。
「完成した体の状態でやってたトレーニングをまだ基礎もできてない体でやったらきついのは当たり前だった」
身体が完成してから精神の完成を目指している期間が長すぎて基礎の組み方を完全に忘れていたようだ。
前の人生とは別の形の完成を目指すという目標のきっかけにはなったからいいが……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます