第1123話:チョグ・ペニドット~つながるほどける~
指で盤上の点をなぞると、なぞられた点と点はひとつ繋がって、もともと繋がっていた点がひとつ解ける。
また別の点と点をなぞってつなげる、別の点と点が解ける。
その後三度程同じことを繰り返して三度程点と点は結ばれ、点と点は解けた。
うーん、と首をかしげて考える、一度リセットをかけた方がいいだろうか。
すでに既定の手数はオーバーしてしまっていることだし。
「じゃあ留守番よろしくね」
そう言って、お姉さんは朝早く出かけて行った。
暇だったらこのゲームをやるといいよと、点と線がたくさん書かれた板を置いて。
どうやらこれは点と点をなぞると線で繋がって、つなげた点に繋がっていた他の点との線が解けるという動きをするというものらしい。
クリア条件はおそらく盤の上部に表示されている模様を作ること。
そうして、朝からずっと点をなぞって繋いで解いてを繰り返しているのだけど、一向に一つのゲームもクリアできない。
なんとか返ってくるまでにクリアしてやりたい。
「こんなゲームに夢中になるほど子供ではないので」と言って放り出しておくこともできるけど、それをしてしまうと普通に暇になってしまうし、ここまでやってるんだから負けた気がするからせめて一つぐらいクリアしておきたい。
「ただいま……ってもしかしてソレずっとやっていたのかい?」
お姉さんが帰ってきた、結局のところひとつもクリアすることはできなかった。
「あんたははまるタイプだとは思ったけど、まさかここまでとはねぇ。面白かったかい?」
「ひとつもクリアできませんでした」私はむすっとして言う。
「別にそれ、クリアって要素が無いんだけど」
「はい?」
「それ、私が作ってる点と点を繋いで模様を作るゲームなんだけど、まだゲームバランスの調整が終わってなくてね。とりあえず見た目だけ動くようになったから暇つぶし程度にはなるかなって渡したんだけど、言ってなかったっけ?」
「言ってませんが?」
「あ、そう? で、どうだった? 面白かった?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます