第1079話:ニ・バンニ~黄金郷~

「黄金でできた都がこの世界のどこかにあるらしい」

「まぁ、あれだけあらゆる世界の理想フィクションで語られ続けていたぐらいだ、この世界にはあるだろうね」

「でもさぁ、黄金郷があるって話は聞いても、具体的にどこにあるって話は全然聞かないんだよな、なんでだろう?」

「うーん、具体的な場所が知られてしまうとそこに人が殺到して、すごい勢いで盗掘されるからとか……?」

「なるほどなぁ、黄金郷から黄金がなくなったらただの郷だもんな」

「そういう意味で言ったわけじゃないけど」

「して、俺がこんな話題を出した理由はわかるよな?」

「黄金郷を探しに行こう、ってことだろう?」

「正解」


「探しに行くのはいいとして、当てはあるのか?」

「地図に載ってない街を探す」

「地図に街が載ってない場所をしらみつぶしか?」

「違うよ、この世界に現れる土地のパッチワークにはある程度の規則性があるからさ。データ化して処理して街がある確率が高いのに街が無い場所をリストアップする。そうすれば秘匿されている、もしくは未発見の都市が発見できるはずだ」

「理屈はわかった、わからんけどわかった」

「そんでリストアップしたのがこれだ。手始めにこの辺りから行ってみようと思う」

「結構近いところにあるんだな」

「縮尺がでかいだけで結構長旅だぞ、片道3日ってところだ」

「そんなに」




「ひどい目に遭った」

「まさか一つ目で武装オートマタの城に踏み込むとは思わなかったよまったく」

「外見は黄金ピカピカだったから、黄金都市かと思ったのにな」

「反射装甲で黄金じゃあなかった、まったく騙されたな」

「次はどうだろうな」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る