「この写真、面白いことになっているけどこれも合成写真だよね？」

「ええ、もちろん。ここはそういう場所ですから」

　ここは合成写真展、それも偶然できてしまった合成写真のみを収集した写真展だ。

「うーん、意図してコラージュしたかのような出来だな……」

「いえ、これも偶然でして、この区画にあるものは誤って画像を同じ場所に配置したために生まれたもので、意図的な物はございません」

「へぇ」

　今見ているものは顔がある卵みたいなやつ、元画像がわからないのでどういう経緯でこうなったのかはわからないが、腕と足も生えている(ように見える)。

　うーん、これは元々どういう写真だったんだろうか、男性の顔のドアップと卵？

　それだと腕と足はどこから来たのだろうか。

　わからん、わからんのでこういう失敗合成写真は面白い。

　さて次と、隣の写真に移りこれもまた謎の合成をされていて最初から最後まで笑い通しで最後のコーナーにやってきた。

　合成元の写真展と銘打たれたそれは、いままで展示されていた合成写真の元になった写真が展示されていた。

　面白かったものは流し見で、気になったものをしっかり見て納得する。

　そして、あの顔のある卵の写真に来たのだが、合成される前から顔のある卵であった。

　もう一枚の方はまったく見覚えというかどこに合成されていたのかも覚えていないぐらいでなんとも言えない気持ちになってしまった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい