第743話:カロ・ホーポス~暑さ対策~

 夏季も終わったというのに、最近はまだ暑い。

 太陽はもう結構高い位置に行ってしまったというのに、不思議と気温は下がってくれない。

 今日も変わらず暑さ対策は必須ということになる。

 最近はずっと日差し除け系の暑さ対策をしていたから気付かなかったが、よくよく見てみれば日差しはあんまり強くない。

 太陽が高くなっているんだから当然と言えば当然なんだが、日差し対策はする意味が薄そうだ。

 さて、困った。

 いままで持っていた暑さ対策はすべて日差し対策だった。

 基本的にこの辺りは日差しさえ何とかすれば気温自体は上がらない地域だから、今のどういう理屈か空間自体が過熱されているような暑さの対策が分からない。

 ネットで検索をしてみるが、共通認識的にこの現象を表現する言葉を持ち合わせていないため、うまく現状に対処する方法が見つけられない。


 どうしたものかな、感覚としては強い日差しに晒されるのと同じなんだけど、日傘を差しても、肌を覆ってもダメで、変わらずジリジリと肌を焼かれる感覚が残る。

 ならとても強い日光が物体を貫通しているのかといえばそうでもなくて、常に日の当たらない、壁の裏やカーテンの裏は暑くない。

 まるで普段日光が通る場所に暑い日の日光が焼き付いてしまったかのような、そんな不思議な暑さだ。


 結局、ない頭を頑張って回して出した答えは家から出ないというものだった。

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