第710話:ウルオ~ゴミの島~
ゴミ、ゴミ、ゴミ
見渡す限りゴミだらけ、ここはゴミの島。
この世界では、資源が無限に湧いてくることと、技術の入れ替わりが激しいことで大量のゴミが出る。
一応ゴミをエネルギーに変換する処理場はあるのだが、消費エネルギーの総量を超えるエネルギーを生産したりしてキャパオーバーになっているため、こう溢れたゴミがこの辺りに集められているというわけだ。
普通はゴミを運ぶ仕事をしているごく一部の者しか訪れないはずのここは、結構人気がある。
ゴミの島とは言うが、ここを一種の宝島ととらえる者が多いのだ、もちろん俺もその一人なわけだが。
「古くなって捨てられたものも多いけど、それよりも新型が出たから捨てられたものの方がここには多いんだ。こんな世界だからさ、ゴミって言っても結構いい物が埋まってるんだよ」とは師匠の話だ、ここにいる大抵の奴はそんな理由でここで掘っているわけだが、そんなものは掘り起こして自分で使うぐらいしか使い道がない。
俺が掘っているのは売れる物、珍しい物、捨てられて尚価値のある物だ。
「うーむ、これは……?」
木彫りの像、モチーフが何の動物なのかわからないが、手彫りだとしたらかなりの良品……、名の知れた作者の物であれば高値で売れるような気がする。
写真を撮って検索、鑑定は価値を確定させてはくれるが口八丁での価値の底上げが難しくなるのであまり使わない。
検索結果が出た、うーん量産品……?
いや、手彫りの量産品?
ううむ、手彫りで寸分違わない木彫りの像を量産したものの一つ……
上手いこと価値があるように売れそうな気はするな、できれば同じものがあと4つぐらいセットであるといいかもしれない。
これは同じものを複数並べると価値を感じるタイプの物だな。
うーん、この辺にあるのかねぇ?
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